環境のためにプラスチックの使用を減らそうと考えたときに、シリコンの使用を考えた人も多いのではないでしょうか?
でも、シリコンはよくないという人の意見も聞いたことがありませんか?
私は、プラスチックよりいいと思って使っていたのだけど、結局のところどの情報が正しいのかわからなくなったので、調べてみました!
この記事では、シリコンを使うメリット・デメリットや、シリコン入りのシャンプーが悪いと言われる理由をまとめています。
記事を読めば、今後環境のためにシリコンを使うか使わないかの判断ができるかと思います!
ここに書いている情報は、私が日本語と英語の記事から調べた情報をまとめて書いています。
調べているともっと深く知りたくなるような情報もあったから、この記事が全てではないといううえで読んでいただけたら嬉しいです。
インスタでも簡単にまとめています!
シリコンとシリコーンの違い
シリコンとシリコーンって実は違うんです。
シリコンのもととなる資源は、元素であるケイ素(Si)で、自然界に存在しています。
ですが単体では存在せず、酸素と結びついて「二酸化ケイ素(SiO2)」として存在しています。二酸化ケイ素から酸素を取り金属ケイ素にしたものがシリコンです。
このシリコンをもとに作られた人工的な化合物がシリコーンとなります。
そのため、シリコンスチーマーやシリコンストローなど、製品として存在しているものは厳密に言うとシリコーンになります。
この記事で書いているシリコンは、全て「人工的に作り出されたシリコーン」のことを意味しています。
シリコンのメリット
- 毒性が低く食品に触れても安全性は高い
- アレルギー反応が少なく、赤ちゃん用品にも使われている
- 約-100℃~250℃に対応(製品によって違う)
- 接触したものがはがれやすい
- 耐久性があるから長く使える
- シリコン使用による二酸化炭素削減効果が大きい
毒性が低く食品に触れても安全性は高い
シリコンは、厚生労働省が認めた食品添加物でもあり、シリコーン樹脂として使用されています。
コーヒーや油などに泡を少なくするために消泡剤として使われていて、知らない間に口にしていると思います。
微量で効果があるので、かなり少量しか使われていないようです。
消泡剤として使用されるシリコーンは、法律上残らないため、危険性は少ないと言われています。
また、毒性がないので医療現場でも使われていたり、食品に直接触れるようなシリコンスチーマーやシリコン蓋、ストローなどもあります。
アレルギー反応が少なく、赤ちゃん用品にも使われている
誤飲が考えられる子供や赤ちゃん用品にシリコンが使われているのは、アレルギー反応や害が少ないからだと言われています。
シリコンは毒性が低いので、誤って食べてしまってもシリコンの成分が原因で死に至るようなことはないようです。
誤飲したあとに様子がおかしくないようであれば、便として出てくるまで待つことも多いみたい。
(もちろん誤飲したシリコンのサイズによって、シリコンが詰まるなど危険な場合もあります。)
約-100℃~250℃に対応(製品によって違う)
シリコンは、熱にも冷たさにも耐えられるので、電子レンジやオーブン、冷凍庫でも使えることが多いです。
そのため、シリコン製の調理器具も多く、火の近くで溶ける心配がありません。
冷凍庫に使えるので、ジップロックやプラスチック容器の代替品としてシリコンを選ぶ人も増えています!
接触したものがはがれやすい
シリコンには、接触したものがはがれやすいという性質があるので、洗いやすいのも魅力です。
キッチン用品に多いのも納得ですね。
耐久性があるから長く使える
シリコンは耐久性があります。
プラスチックのかわりにシリコンを使おうと考えている人は、環境に優しい生活をしたいと考えている人も多く、一つのものが長く使えるのはとても嬉しいと感じますよね。
長く使えればその分ゴミが減るので、とても環境に優しいと言えます!
シリコン使用による二酸化炭素削減効果が大きい
地球温暖化の原因と考えられているのが温室効果ガスですが、温室効果ガスの大部分を占めているのが二酸化炭素です。
シリコンの製造をするときには、二酸化炭素が排出されます。
これを聞くと環境によくないのでは?と感じますよね。
でも、シリコンを使用することによって、トータルでの二酸化炭素の排出を削減することができるのです。
数値で見るとわかりやすくて、シリコンの製造に1トンの二酸化炭素が排出されたとしても、そのシリコンを使用することで9トンの二酸化炭素の削減ができるそうです!
fa-star参考記事シリコーンのカーボンバランス
例えば、太陽光発電のパネルにはシリコンが使われています。
このシリコンを作るのには二酸化炭素が排出されているけど、太陽光発電で発電されるときに排出される二酸化炭素の量は、石油燃料を燃やすことで電力を生み出す火力発電に比べると、二酸化炭素の排出はかなり少ないと言われています。
これがシリコンを使うことによる二酸化炭素の削減です。
温室効果ガスをたくさん排出すると言われている自動車産業にもシリコンは使われていて、この分野でも二酸化炭素の削減に貢献しているそう。
シリコンのデメリット
- 危険性に関して明確な答えは出ていない
- 生分解されずリサイクルできるところが少ない
- EUではパーソナルケア製品でD4・D5が規制されている
危険性に関して明確な答えは出ていない
メリットで安全性は高いと書いたし、安定性の高さは研究で立証されているそうです。
ですが、まったく化学反応を起こさないわけではなく、化学物質が漏れ出す可能性を示す研究結果もあるみたい。(参考:プラスチック・フリー生活)
現時点ではほかの素材に比べると安全性は高いようですが、念には念を入れてということでシリコン容器をレンジやオーブンでは使用していないという声もよく耳にします。
生分解されずリサイクルできるところが少ない
シリコンが環境によくないと言われる一番の理由は、生分解されない・リサイクルがほぼできないことにあると私は感じました。
環境に優しい製品というのは、生分解されるものが多く、土に埋めることで微生物によって自然に還ることができます。
でも、シリコンは生分解されず、リサイクルも特別なリサイクル会社でしかできないのが現状なので、今はシリコンのほとんどが通常のゴミとして捨てられているようです。
もし生分解されないシリコンがプラスチックのように海に捨てられてしまったら、かなり長いこと海に漂うことになりますよね。
EUではパーソナルケア製品でD4・D5が規制されている
EUのECHA(Europian Chemicals agancy/欧州化学物質庁)に、REACHという化学物質によるリスクから人間の健康と環境の保護を改善するための規制があります。
そのREACHのもとに、EUでは、パーソナルケア製品でD4・D5が規制されています。
全く使わないか、0.1%未満という決まりです。
シリコンにはいろいろな形状のものがあるのだけど、環状シリコーン化合物と呼ばれるリング状になったシリコンが3つあります。
それが通称D4・D5・D6と呼ばれる物質。
シリコンは安全と言われているけど、分解されず体内に残りやすいので、長期的に見れば人間や生物に何かしらの影響があるのではないか?と言われているのです。
人間に影響があるのかないのかは、私が調べたところではわかりませんでした。。
私が読んだこの本では、シリコンもプラスチックの一つとして扱われていて、危険性には明確な答えは出ていないと書かれていました。
基本的には比較的安全だけど、体の組織の炎症を引き起こしたという報告も出ているみたいなので、疑問も残っていると言われているようです。
シリコン入りシャンプーがよくないと言われる理由
シリコンの環境への影響を考えたことのない人でも、シリコン入りシャンプーはよくないというのは聞いたことがありませんか?
まず、シャンプーにシリコンが使われるメリットとしては以下の理由があります。
- キューティクルをコーティングしてまとまりある髪になる
- ドライヤーの熱から髪を守る
そしてシリコンシャンプーがよくないと言われる理由はこちら。
- シリコンが毛穴に詰まる
- カラーやパーマのかかりを悪くする
でも、この2つの理由は花王の実験で両方とも事実ではないことが実証されているそうです。
そして、シリコン入りシャンプーが悪いと言われはじめた理由が、なんと「美容師が美容室で販売しているノンシリコンシャンプーをお客さんに買ってもらうため」だったそうです!
そしてこの論争、髪の毛(や人)に対していいか悪いかを言っているだけで、環境にいいか悪いかを言っているわけではないんですね。
環境のことになればシリコンがどうとかいう理由ではなく、石油系の合成界面活性剤が使われているものが多いので、シャンプー自体が環境に悪いんです。。
また、ノンシリコンのシャンプーには、髪をコーティングするためにシリコンと似た性質の人工化合物を使っている場合もあるので、「ノンシリコンシャンプー=環境にいいシャンプー」ではないんです。
もし、環境に優しいシャンプーを使いたいのなら、生分解できるものを選びましょう!
私はEthique(エティーク)のシャンプーを使っています!
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プラスチックの代替品としてならシリコンは優秀!
シリコンにはデメリットもありましたが、シリコンを使うことでラップやジップロック、タッパー容器などを使わない(もしくはプラスチックの使用を減らす)生活をすることができるようになります。
また、プラスチックに含まれる化学物質として知られるBPA(ビスフェノールA)は、人体への悪影響が懸念されているとのことでご存知の方も多いかもしれません。
シリコンは、プラスチックと比べればかなり環境にも体にも優しい製品だと言えます。
シリコンを使い捨てのように捨てる人はいないだろうし、プラスチックの代わりに使いたいと思っている人なら環境についてとても興味がある人だと思います。
ただ、先程の「プラスチック・フリー生活」では、シリコンのほかに選択肢があるならできる限り使用を避けたほうがいいのではと言われていました。
特に食べ物に直接触れて高温になるものは完全に避けたいと書かれています。
その上でシリコンを取り入れるなら、なるべく質の高いシリコンを選ぶほうがよくて、理想なのは「医療グレード」・せめて「食品グレード」のものを使いましょうと書かれています。
安心できるシリコン製品の選び方
- 100%シリコーンのものを選ぶ
- 認証をチェックする
- 色付きのものは染料に安全性があるか
- 破棄するときに引取・リサイクルしてくれる会社を選ぶ
- BPAフリーだけでは危ないかも
100%シリコーンのものを選ぶ
まず、シリコンについて調べてみた結果、シリコンが100%使われているかをうたっている製品を使用することが望ましいのかなと感じました。
安いシリコン製品を作るためには、フィラー(充填剤)、ポリマー、副産物などが使われていることもあるようです。
プラチナ・シリコーンとは何ですか?なぜ他のシリコーンより優れているのですか?
プラチナ・シリコーンは、砂(シリカ)と酸素を主原料となっており、フィラー(充填剤)、ポリマー、副産物などは一切含まれておりません。無害であり、中に入れた食品に有毒な化学物質が溶出する心配もなく、加熱も安全にしていただけます。
アメリカのスタッシャー社は定期的に素材のテストを行っており、FDA(アメリカ食品医薬品局)の基準に準拠しているだけでなく、より厳しいEUの食品規格、そして日本の食品検査にも合格しています。EUの食品規格では、フィラー(充填剤)入りのシリコーンが食品と接触することは認められていません。
平な部分を指でつまんでねじったときに白い色が出ればフィラー(充填剤)が添加されているそう。
認証をチェックする
- 日本→厚生労働省食品衛生法検査
- アメリカ→FDA(アメリカ食品医薬品局)
- ヨーロッパ→LFGB(ドイツ食品衛生管理法検査安全基準)
など
シリコンを買うなら少し高くても認証があるものを選ぶほうがよさそうです。
厚生労働省食品衛生法検査は、健康被害の発生を防止するための法律なので、検査済みで認証されているほうが安全性が高いと感じます。
色付きのものは染料に安全性があるか
スタッシャーの染色にはどのような着色剤が使われていますか?
スタッシャーの着色剤は食品に安全な着色料のみを使用しており、アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)はもちろん、カナダやヨーロッパなどで行われるの食品規格にも合格しています。
スタッシャーの公式サイトでは、染色に関することも書かれていました。
カラフルで色の濃いものは気をつける必要がありそうです。
破棄するときに引取・リサイクルしてくれる会社を選ぶ
スタッシャーは生分解しますか?
スタッシャーは生分解性ではありませんが、長期間ご使用いただけるものですので使い捨てプラスチックのように都度廃棄する必要はありません。
しかし、もしスタッシャーを廃棄する必要が生じ、食品以外のものを収納する等でも再利用できない場合、送料はお客様ご負担になってしまい大変恐縮ですが下記住所までお送りいただけましたら、当社で責任をもってリサイクルいたします。〒104-0061
東京都中央区銀座8-11-5 正金ビル1階
株式会社ボーテ福原 stasherリサイクル係宛
スタッシャーの公式サイトでは、破棄する必要が出たときは引き取りとリサイクルしてくれるそう。
BPAフリーだけでは危ないかも
プラスチックに含まれる科学物質として知られるBPA(ビスフェノールA)は、人体への悪影響が懸念されているとのことでご存知の方も多いかもしれません。
しかし、調べてみると、BPAフリーであってもBPAの代替として化学物質が使われているようです。
中国では、フルオレン-9-ビスフェノール(BHPF)という物質がBPAフリーと表示してある製品に使用されているそう。
そして、市販のプラスチック製の飲料用ボトルに熱湯を注ぐ実験でBHPFが検出されたようです。(低濃度ですが、プラスチックボトル入り飲料水を習慣的に飲む100人のうち7人からBHPFが検出されています。)
fa-star参考記事「BPAフリー」でも人体に有害?マークの本当の意味とは
おすすめシリコンアイテム
シリコン蓋は私も使っていますが、ラップを使うことがかなり減ったので重宝しています!
お皿だけじゃなくて、切ったアボカドなどもそのままラップがわりに使うことができます!
スタッシャーのシリコンバッグは、ジップロックの代わりに使える製品です。
私はまだ使っていないのですが、安全性も高そうでかなり長く繰り返し使用できるということで、近々購入しようと思っています!
食品とともに使う製品の中で一緒に紹介してしまって申し訳ないのですが、私が使っている月経カップもシリコン製です。
月経カップを使うことで、使い捨てナプキンやタンポンを使わなくなったので、環境にも優しくおすすめです。
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プラスチックの代替品じゃないならもっと環境にいい素材を使う
シリコンは、プラスチックの代替品としてはとても優秀なものだと思います。
でも、もしプラスチックの代替品ではないならもっと環境にいいものを使うことができるかもしれません。
例えば、鍋敷きがほしいならあえて新品のシリコン鍋敷きを買う必要はないかな、と思うのです。
プラスチックの代替品ではないし、竹や木、余り布などのリサイクル製品を選ぶという選択肢もあるからです。
鍋敷きはちょっと利用している人の頻度の少ないアイテムですが。。
プラスチックの代替品ではないのなら、できるだけ100%生分解するものやリサイクルされたものを使うほうが自然にはいいのかなと思うのです。
シリコンのほかに環境によくてプラスチックの代替品になるもの
- ガラス
- ステンレス
- 竹
- ミツロウラップ
ガラス
ガラスびんの生産にはエネルギー消費が多く、環境負荷は大きいみたい。
でも、ガラスはリサイクル率が高く、省エネ技術の導入や軽量びん化・リユースびんの推進で環境に配慮した製品も増えています。
耐熱ガラスのボウルなどもあるので、プラスチックの代わりとして使いやすい素材です。
ステンレス
ステンレスは、さびにくく耐久性がいいため、リサイクル率が高い素材です。
でも、プラスチックのタッパー容器の代わりにステンレスを使うなら考えるべき点がいくつかあります。
一つは、密封容器の場合蓋はプラスチックであることが多いこと。
そしてもう一つが、電子レンジが使えないことです。
竹
竹は、ストローで使われることが多いです。
プラスチックストローを使わないためにストローを購入したい場合は、竹・シリコン・ステンレス・紙が代替品として考えられます。
紙は結局ゴミが増えるので、私は使いたくないかな。
また、竹は自然環境にはいいかもしれないけどカビの可能性もあるそうなので難しいところですね。。
ミツロウラップ
ミツロウラップは、オーガニックコットンにミツロウやホホバオイル、天然樹脂などが使われた100%生分解できるラップです。
環境に優しい生活をしたい人は、ミツロウラップを使っている人が多い印象です!
シリコンは上手に使うことで環境に優しい素材だと言える
シリコンのメリット・デメリットなど、シリコンについての情報をたっぷりとまとめました。
私自身、シリコンがよくないという話を聞いて、実際にはどうなのかと思っていたのですが、調べていくうちに私なりの答えが出ました!
シリコン自体は生分解しないので、生分解できる素材を選べるならその方がいいかもしれないけど、プラスチックの代替品としてシリコンを選ぶなら、私はかなり環境に優しい生活ができると感じます!
もちろん環境に100%優しい生活をしたいけど、そうすることでかなり不便になったり続けられないようなものだったら選びにくいというのが本音です。。
もし、シリコンを使うかどうか迷っている人の訳に立てたら嬉しいです!
サステナブルな生活のこともまとめています!
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