SDGs(持続可能な開発目標)には、17の目標と169のターゲットが掲げられています。
17の目標の4個目が「質の高い教育をみんなに」です。
日本は満足に教育を受けることができますが、世界には学校に行けずに働く子どもたちもいます。
この記事では、SDGs目標4の「質の高い教育をみんなに」における世界と日本の現状や私たちにできることをまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
【SDGs目標4 質の高い教育をみんなに】10個のターゲット
「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し,生涯学習の機会を促進する。」を目標に、10個のターゲットが決められています。
4.1 | 2030年までに、すべての子供が男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。 |
4.2 | 2030年までに、すべての子供が男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達・ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。 |
4.3 | 2030年までに、すべての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。 |
4.4 | 2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合 を大幅に増加させる。 |
4.5 | 2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子供など、脆弱層があらゆるレベルの 教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。 |
4.6 | 2030年までに、すべての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。 |
4.7 | 2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を 促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。 |
4.a | 子供、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、すべての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供 できるようにする。 |
4.b | 2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、ならびにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。 |
4.c | 2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員研修のための国際協力などを通じて、質の高い教員の数を大幅に増加させる。 |
「4.1」などの数字のものは各目標の具体的な課題の達成を表していて、「4.a」などのアルファベットのものは課題の達成を実現するための手段や措置について書かれているようです。
世界の現状
2億5,800万人が学校に通えていない
ユネスコの統計資料(UNESCO Institute for Statistics)によると、2018年の時点で、約2億5,800万人の子供が学校に通えていないと言われています。
そのうち小学校に通えない子どもは5,900万人で、6〜11歳の子どもの8%(12人に1人)が小学校に通っていないことになる計算です。
アフリカや南アジアは深刻
サハラ以南のアフリカ地域、西アジア地域、南アジア地域に集中していると言われています。
小学校に通えない子ども5,900万人のうち、半数以上の3,200万人がサハラ以南のアフリカ地域の子どもです。
南アジアでは1,300万人と、サハラ以南のアフリカ地域に続いて多い数字となっています。
学校に行けない理由
- 家が貧しくて学校に行くためのお金がない
- 家計を助けるために働かなければいけない
- 学校が近くにない
- 紛争などに巻き込まれた
- 弟や妹の世話をしなければいけない
学校に行けない子どもたちには、さまざまな理由がありますが、貧困や紛争はとても大きな原因となっています。
学校に行けないことで起こる問題
- 読み書きができない
- 計算ができない
- 仕事を選ぶことができない
- 満足に収入が得られず食べ物を買えない
学校に行けないと、読み書きができないまま大人になる人も多いです。
その結果、途上国では「地雷」や「危険」といった文字を読むことができず命に関わる危ない目にあってしまう人もいるそう。
また、仕事を選ぶことができない結果、収入が得られず貧困にも繋がる負の連鎖が起きてしまいます。
日本の現状
SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT 2021によると、日本のSDGs達成度は世界18位となっており、SDGs目標4に関しては現状達成しています。
先進国であることから教育に関しては高い達成率を誇っていますが、日本にも問題点はあります。
SDGs目標1「貧困をなくそう」の記事で紹介していますが、日本はひとり親世帯での相対的貧困率が高く、このような経済格差が進学率に関係しています。
私たちにできること
- 貧困や教育支援を行っている団体に寄付をする
- 本やインターネット、映画などから世界の現状を知る
貧困や教育支援を行っている団体に寄付をする
教育を受けられない原因は貧困も大きな問題の一つです。
貧困のために活動している団体には、日本ユニセフ協会や認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン「チャイルド・スポンサーシップ」などがあります。
日本ユニセフ協会
日本ユニセフ協会は、150以上の国と地域で行われているユニセフの活動全体を支える募金を行うことができます。
子どもたちを守る活動に支援でき、保健、栄養、水と衛生、教育、子どもの保護などの活動に使われます。
認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン「チャイルド・スポンサーシップ」
「チャイルド・スポンサーシップ」は、月々4,500円で支援ができる仕組みで、年に1度子どもの成長報告書が写真で届いたり、手紙のやりとりができるので、より繋がりを感じたい方に選ばれています。
本やインターネット、映画などから世界の現状を知る
寄付や募金などは経済的に余裕がなく、すぐにはできないという方も多いかもしれません。
でも、本やインターネットなどで世界の現状を知ることはできます。
本は図書館で借りることもできますよ。
現状を知ることで、現状や原因などさまざまなことがわかります。
SDGsを知り勉強していくことで、できることは寄付以外にもたくさんあることがわかるようになるため、ぜひいろいろな情報を調べてみてください。
まとめ
SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」についてまとめました。
日本では高い達成率を誇っていますが、世界に目を向けると、学校に通えていない子どもたちはたくさんいます。
寄付や募金がすぐにできなくても、世界の現状を知ることで意識を向けることができます。
調べていくと教育はSDGsの目標1や2の貧困・飢餓とも大きく関わっていることがわかると思います。
貧困や飢餓のためにできることにはフェアトレードの商品を買うことなどもあります。
直接的な寄付以外にもできることを見つけながら貢献していけるといいですね!
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