アボカドは「最も栄養価の高い果実」としてギネスブックにも登録されています。
健康のためにアボカドを毎日食べているという方も多いのではないでしょうか。
実はそんなアボカドには、さまざまな闇があると言われています。
この記事では、アボカドが抱える問題をシェアしています。
「アボカドを食べるのをやめよう!」という話ではなく、事実を知ってどう選んでいくかが大切です。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
アボカドが抱える問題
- 栽培に大量の水を使う
- 干ばつが発生する
- CO2を多く排出する
- マフィアの資金源となっている
栽培に大量の水を使う
アボカドは、栽培に大量の水を必要とします。
「IHEデルフト水教育研究所(旧称ユネスコ-IHE水教育研究所)の作物のウォーターフットプリントレポート」によると、1kgのアボカドを生産するのに必要な水は約2,000リットル(1981リットル)と言われています。
これは、トマトの214リットルに比べると約10倍の水の量。
ただし、「トマトの生産量はアボカドより圧倒的に多く、何か一つの作物を槍玉にあげて消費量を減らしても、ただその農作物の生産者が職を失うだけで、本質的な解決には繋がらない」とメキシコのアボカド農園と契約しサステナブルなアボカドピューレを販売している川井篤士さんはHUFFPOSTの記事で答えています。
私自身、実際にアボカドの環境問題などを知ってからは、スーパーでアボカドを購入する頻度は減ったものの、アボカドだけが悪いわけではないと考えています。
実際に、「IHEデルフト水教育研究所(旧称ユネスコ-IHE水教育研究所)の作物のウォーターフットプリントレポート」を見てみると、デーツの栽培に必要な水の量は1kgあたり2,277リットルとアボカドよりも多いことがわかりました。
さらに、「IHEデルフト水教育研究所(旧称ユネスコ-IHE水教育研究所)の家畜と動物製品のウォーターフットプリントレポート」を見ると、15,415リットル。
アボカドを食べて牛肉の消費を減らしながらプラントベースの食生活を楽しめるのなら、その選択も意味があると感じます。
さらに、水不足は予期しない地震も引き起こすと言われています。
アボカド栽培が盛んなメキシコ中西部ウルアパンでは、1ヶ月に3,000回以上も揺れた時期もあったそう。
fa-star参考記事アボカドは「悪魔の果実」か?──ブームがもたらす環境破壊と難民危機
干ばつが発生する
チリの農業地域ペトルカでは、英国での輸入アボカドブームの需要に答えるために、生産者が違法に地下水を流用してアボカドを栽培したそう。
その結果干ばつが発生し、住民は政府の給水トラックの水を飲まざるをえなくなったのだとか。
しかも、ペトルカの住民に割り当てられた水の量はひとりあたり1日50リットル。(日本人は1日で1人あたり200~300リットルを利用しています。)
fa-star参考記事1日に必要な生活用水は何リットル?STOP!水の無駄遣い!
トラックの水は汚染物質にまみれていて、2014年の水質検査では本来糞便に含まれる大腸菌が高いレベルで発見されています。
fa-star参考記事アボカドブームがもたらすチリの干ばつ
CO2を多く排出する
アボカドは限られた地域でしか栽培できず、現在はメキシコをはじめチリやコロンビアなどの南米などが主な生産地となっています。
栽培されたアボカドは、国内で消費されるほか、アメリカや日本、イギリスなどに輸出されています。
輸出には多くの二酸化炭素が排出されるため、アボカドのカーボンフットプリントは、バナナの2倍、コーヒーの3倍高いんです。
また、アボカドの生産量をあげるために森林伐採されていることも問題となっています。
マフィアの資金源となっている
アボカドの生産量世界一を誇るメキシコでは、アボカドがマフィアの資金源となっています。
アボカドの強奪をはじめ襲撃などが多く、農家のなかには自分達とアボカドを守るために自警団を結成しているところも。
アボカドの売上の一部を上納金(人民から領主、政府、上部組織などへ納める金)として納めろというカルテルの要求に応じなかった農家が殺害されたりもしています。
アボカドを買わないことが解決に繋がるわけではない
アボカドの抱える問題を紹介しましたが、これはアボカドが悪いわけではありません。
実際に、アボカドブームが数千人もの貧困を救ったという事実もあります。
また、アボカド産業は女性にとってもいい就職先になり、梱包工場で働く女性はシングルマザーや独身女性なのだそう。
もしもアボカド産業が崩壊したら、働き先を失った労働者たちが犯罪に走る可能性も高いと言われています。
fa-star参考記事アボカド農家が麻薬カルテルの脅威に直面して武装自警団を組織するメキシコの現状とは?
私は、ほとんど海外でしか育てられない食べ物が、季節問わずいつでも安く手に入ることが当たり前だと思うことが問題だと感じました。
大量生産はやっぱり環境にも悪い影響を与えます。
私自身メキシコに移住したいくらいアボカドが好きすぎて、メキシコに4ヶ月ほど滞在していたこともありますが、日本に住んでいる今は、輸入食材は少しずつ減らせるよう心がけています。
アボカドの中には、サステナブル(持続可能)で環境に配慮したものも販売されているので、こういったアボカドを選ぶことも大切だと感じます。
サステナブル(持続可能)なアボカドを購入しよう
- アボカド好きのための木熟アボカドピューレ
- 国産アボカド
アボカド好きのための木熟アボカドピューレ
こちらのアボカドは、「アボカド兄さん」こと川井篤士さんが実際にメキシコのアボカド農園に足を運び開発した、環境負荷配慮を追求したアボカドピューレです。
酸化防止剤や保存料・増粘剤などの添加物は一切使わず、100%メキシコ産ハス種アボカドなんだそう。
さらに、環境・SDGsにも取り組んでいるのが特徴。
①栽培時の人工的な散水を行わず、100%天然降雨に依存する栽培体制
②降雨を貯水する貯水プールの設置
③栽培農園内の自然環境を60%以上保全し、野生動物の生育環境を保護
④反社会勢力との接点がない個別農家との直接提携による供給体制構築出典:VCOnlineShop
国産アボカド
実は国産アボカドも栽培されているのはご存知でしょうか?
現在は和歌山県と愛媛県を中心に、宮崎や鹿児島、新潟などで栽培されています。
ただ、宮崎のマンゴーのように贈答用として栽培されているアボカドも多く、高いものでは1玉5,000円以上するものも。
日常的に購入するのには向きません。
現在愛媛県松山市では、アボカドの産地づくりを進めているようで、柑橘栽培からアボカド栽培へ少しずつシフトしている農家さんもいるそう。
アボカドの産地であれば、直売所などで1玉400円ほどで購入できると書かれたブログも見つけたので、運が良ければ手頃に国産アボカドが手に入るかもしれません。
国産アボカドの旬の時期は、10月から2月頃と言われています。
旬の時期以外はほとんど手に入りませんが、旬の時期にはオンライン直売所の食べチョクで国産アボカドが購入できるようです。
栽培期間中は農薬不使用のものもあったので、旬の時期にぜひチェックしてみてください。
事実を知って選択していこう
アボカドが抱える問題やサステナブルなアボカドを紹介しました。
牛肉が環境に悪い、輸入食材が環境に悪い、さらにはアボカドが環境に悪いと聞いたら本当に食べれるものなんてないのではないかと思ってしまいますが、すべてを排除しようとするのではなく、事実を知ったうえで選択していくことが大切です。
私はもともとアボカドが大好きなので、今でもたまに購入しますが、同時に地産地消で購入できる野菜を選んだり家庭菜園で自分で野菜を育てたりもしています。
できることから少しずつ行動していけるといいですね!
環境についての記事も書いています。
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